「時間がかかるは敬語でなんて言えばいいだろう?」
「一般的な社会の常識を身に着けたい・・・」
「時間がかかるはどういう場面で使えばいいだろう?」
と悩んであなたはこの記事へ辿りついたのではないでしょうか?
使い方によっては相手に伝わっていないことが多々あると思われます。また、敬語には丁寧語・尊敬語・謙譲語などに分かれており、使い分けなければなりません。
敬語が上手に使えれば社会でも人間関係の向上に繋がります。
そこで、今回紹介する内容は「時間がかかる」の敬語表現や使用方法について解説しますので興味のある方は是非チェックしてください。
時間がかかるの敬語
時間がかかるの敬語は「時間を要する」です。
「時間がかかる」は敬語でなんと言う?
「時間がかかる」を敬語で表すときは「時間がかかります」となり、丁寧語を使用した敬語となります。
意味としての時間がかかるは仕事やタスクがすぐに片付くかどうか不明瞭であり、仕事や作業などに時間を要することを表します。
時間がかかるという時には仕事や作業が完了するまでにどのくらい時間がかかるのか、不明瞭なケースが多いです。
また、使用する相手やその時の感情によって表現の仕方が変化しやすいのが特徴で、相手に気遣うフレーズで使用すれば相手にも喜びが伝わりやすくなります。
まず、相手に感謝の気持ちを伝えたいときには「お時間をいただきありがとうございます。」と表現して「時間がかかる」を「お時間をいただく」という敬語に変化させます。また、接頭語をつけて「お時間がかかります」でも可能です。
また、謝罪の意を込めて表現する時には、「お時間をとらせてしまい、申し訳ございません。」となり、次は「時間がかかる」が「お時間をとらせる」という言葉に変わるので注意しましょう。
このようにかかるという言葉が「いただく」や「とらせる」という言葉に変わることで自然な敬語になります。
他にも、別の表し方としては「時間を要します」「お時間を必要とします」があります。さらに、「時がかかります」と同じ意味を持った言葉と置き換えもできるので便利と言えるでしょう。
また、敬語にはそれぞれ種類があり、丁寧語・尊敬語・謙譲語などがあるので、敬語の種類や違い、使用方法を解説していきます。
特に「時間がかかる」は相手を立てる時に用いられるので、主に尊敬語や謙譲語が使われるのが特徴です。
まず、「丁寧語」の解説です。これは相手を選ばずに、聞き手に敬意を表す時に使用されます。普通の言葉を丁寧に表現するだけなので非常に便利です。
次に「尊敬語」です。これは目上の方に対して使う敬語で、相手に対して敬意を表す時に使用されます。
最後に「謙譲語」です。いずれも相手への敬意・尊敬の気持ちを込めた言葉遣いである点が共通します。
次に先程紹介した敬語の変化について解説します。敬語の中には言葉が変わったりすることがあるので少し複雑です。
まず、尊敬語の「動詞」についてですが、言葉自体が変わるものや、「お(ご)〜になる」という表現や「らる」 「られる」語尾がつく場合があります。
言葉自体が変わる例
- 「言う」→「おっしゃる」
- 「来る」→「いらっしゃる」「おいでになる」
- 「着る」→「お召しになる」
「お (ご) ~ になる」の例
- 「読む」→「お読みになる」
- 「話す」→ 「お話になる」
- 「執筆する」→「執筆なさる」
「れる」「られる」が語尾につく例
- 「話す」→「話される」
- 「帰る」 → 「帰られる」
などがあります。
形容詞・形容動詞
次に、形容詞・形容動詞ですが、これらは、「お」や「ご」を付けて敬意を表します。例えば、
- 「元気」→「お元気」
- 「立派な」→「ご立派な」
- 「美しい」→「お美しい」
などが挙げられます。
名詞
続いて名詞についてです。相手の持ち物に敬意を込めて以下のような言葉に変わります。
- 「手紙」→「お手紙」
- 「相手の会社」→「貴社」「御社」
- 「相手の自宅」→ 「ご自宅」
などがあります。
次は「謙譲語」についての解説です。動詞の場合「お(ご)〜する」「お(ご)〜いただく」「お(ご)〜申し上げる」などの形に変わり、「謙譲語」は下記のように変化します。
言葉自体が変わる例
- 「行く」→「伺う」
- 「読む」→「拝聴する」
- 「与える」→「差し上げる」
「お(ご)〜する」「お(ご)〜いただく」「お(ご)〜申し上げる」の例
- 「送る」→ 「お送りする」
- 「利用する」→「ご利用いただく」
- 「悔やむ」 →「お悔やみいただく」
名詞
- 「自分の会社」 → 「当社」「弊社」
- 「自宅」→ 「拙宅」
以上が謙譲語についての解説でした。
最後に丁寧語について解説していきます。
丁寧語
丁寧語では語尾が「です」「ます」「ございます」に変化するだけです。
- 「見る」→ 「見ます」
- 「思う」→ 「思います」
- 「忙しい」→ 「忙しいです」
これらの敬語を使いこなせれば社会でも役に立つので是非マスターしておくことをお勧めします。
「時間がかかる」を敬語で言う場合の注意点
時間がかかるという時には仕事や作業が完了するまでにどのくらい時間がかかるか、不明瞭なケースが多いです。
仕事やタスクなどはおおよその必要な時間は分かるものの、ハッキリと伝えるのが難しい場合も少なくはありません。
通常は3日で終わる作業でも不備や失敗などで時間を要することもあります。
そういったことを考慮すると、前もって「あと、3日かかります」と伝えるよりも、もう少し曖昧に「もうしばらく時間がかかります」と言い方を変えた方が相手とうまくいくことが多いです。
他にも、「時間を要する」という表現があります。
これは、催促の際に多く使用されるケースで例えば、ある要求を受け入れるのか、受け入れないのか、今日までに返信してほしいメールがあったとします。
しかし、一向に返事がきません。急ぎのため今日中に返事が欲しいので返事をもらいたいのです。そういった際に催促します。
催促の際に気を付けなければならないのは書き方で、それを間違えてしまうと上から目線で見られているような不快な想いを相手に与えてしまうからです。
また、メールの書き方は難しく、時間を要することがあります。ある事柄を決める際にはある程度の時間も必要です。
相手の事情を察して「まだ、時間がかかるようでしたら」を使用するといいでしょう。
「たら」の後には、「目安を教えてください」「ご連絡ください」何らかの反応を示す言葉を添えれば出来上がりです。
他にも、レポート課題で不備があったとして、「解決までにどれくらい時間がかかるのか」と質問されたときに「時間を要すると」という返答も使えます。
それ以外にも仕事などで電話対応している時にも「書類を送って欲しい」とクライアントから依頼されたときに「お時間がかかります」よりも「お時間を要します」と表現したほうが相手に対して感じがよく、不思議とそれがしかたなく思えていい印象を与えてくれるのです。
相手が焦っている時に「時間がかかる」と表現してしまうと何とかできると誤解してしまうことがあるのでこのような場合は「時間を要する」が適切と言えます。
また、このようにどのくらい時間がかかるのかを不明瞭にしたままで相手に時間がかかると伝える場合は「お時間を要する」という表現が使用されるので覚えておきましょう。
この言葉を使用する際の注意点としては、具体的な時間を想定しておくことが大事です。「お時間を要します」と言われたら、相手が「どれくらいですか?」と聞くのが一般的なので、返答できる準備をしてから使用するようにしましょう。
これらの言葉を用いる際に一番大切なことは、相手を思いやる気持ちが大切なので、これだけは忘れないようにしましょう。
「時間がかかる」の敬語を使う場面の事例
「時間がかかる」敬語を使用する場面の事例として、自分にとって相手との関係性や伝えたい感情によって敬語の表現も変化します。
そこで実際にある敬語の事例を載せますので参考にしてくれると幸いです。
さらに、こちらの事例に載せている敬語の例文を参考にすると敬語の使い方を覚えられるので役に立ちます。一つ目の事例は社長や部長といった目上の相手に対して使用する「時間がかかる」「お〜になる」「ご〜になる」「れる」「られる」「なさる」などの例文がつきます。
例文
- 「勤怠打刻をし忘れてしまいましたのでご報告いたします。お手数をかけて申し訳ありませんが、勤怠の修正をよろしくお願いします。」
- 「私の作業ミスにより、部長にお手を取らせてしまったこと、誠に申し訳ございません。」
- 「この度はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございます。」
相手が時間や労力を割いていただく場合に用いられることが事例としてあるので覚えておきましょう。次に、自分側に時間がかかる場合の事例を紹介します。
これは、「時間がかかる」に「お〜する」「ご〜する」と付け加えた例文と比較すると使用頻度は下がります。
そもそもこの表現は相手を待たせてしまった場合に使用されることがほとんどです。使用方法としては自分側が時間を費やした表現を敬語に置き換えることに限られています。
「手数」や「いただく」と言った言葉の変化も少ない分覚えやすいのですぐにでも実用が可能です。では早速、事例と例文を紹介していきます。
- 「先週の月曜日に注文された商品につきまして、在庫不足の関係により新しく取り入れてから発送するまでに1週間ほどお時間を取らせていただく場合がございます。」
- 「お客様よりいただいたお品物の鑑定は、1時間ほどお時間をとらせていただきますのでご了承ください。」
相手に対して時間や労力を割いた時にはこういった事例や例文があり、覚えやすいため是非使用して見てください。
他にも、敬語を使用する相手によっては何かをお願いしたり、あるいは断ったりする時に間を置くことによって相手に気配りをするクッションのような役割を持つ魔法の言葉があります。
このように相手のことを配慮する目的として置く言葉を「クッション言葉」といいます。「ご不便をおかけしますが」や「差し支えなければ」と言った言葉を間に入れることで丁寧にこちらの意図を相手に伝えられます。
「時間がかかる」を敬語で別の言い方はできる?
「時間がかかる」にも違う敬語の表現があります。
別の表現としては「お手数をかけます」や「手間をとらせる」と言葉そのものが変化する敬語がありますが、この2つの変化した言葉以外にも「時間がかかる」の意味を持つ言葉があるのです。
「時間がかかる」を敬語にする時に、その言葉を「待ちます」の敬語に置き換える際にも同じ表現が可能です。
「待ちます」という言葉には相手に時間をかけるという意味合いが含まれており、「時間がかかりますよ」と「待ちます」を並べると同じことを意味しているのが分かります。
次に「時間がかかる」を置き換えた敬語を下記に記載します。
例文
お待ちいただく
この言葉は「待ちます」という敬語を目上の方や上司に対して使用する場合は、尊敬語では「お待ちいただく」という表現になります。この「お待ちいただく」は、「時間がかかる」の敬語である「お時間をいただく」と同じ意味をもつ言葉として用いられます。
例えば、「会議が終了するまでお時間をいただけますか」の「お時間をいただく」という言葉と「会議が終了するまでお待ちいただけますか」の「待ちます」という言葉がどちらも相手に対して時間がかかることを伝える言葉として置き換えが可能であることが分かります。
また、「待ちます」を敬語表現に変換すると「お待ち申し上げます」「お待ちになってください」の表現方法もありますが、これらの言葉には「時間がかかる」という意味は含まれていないので注意してください。
手間取る
この言葉の意味は手数がかかる、つまり、「時間がかかる」という意味です。事例としては、「お手を取らせてしまい、申し訳ございません」など謝罪文でも使用されることがありますので、覚えておきましょう。
時間を要する
時間を要するは先に紹介したと思いますが、「時間を必要する」という意味で使用されることが多いです。
「時間がかかる」という表現の場合は、自分の能力が足りずに時間がかかってしまうと表されやすいですが、「時間を要する」という表現はその作業や仕事が複雑で時間がかかるといったニュアンスが強調されることが多いです。
そのため、メールなどでも「お時間を要する可能性がございます」などで使用されることが多々あります。
一朝一夕にはいかない
この表現は「いっちょういっせきにはいかない」と読み、僅かな時間では終わらないという意味合いを持ちます。一朝一夕は一朝から一晩という意味があり、一朝一夕にはいかない
という表現は短時間で終わらずに、「時間がかかる」という意味になるのです。
因みに、一朝一夕という言葉は儒教の経典から来ている説が有力視されています。以上が「時間がかかる」を別の敬語表現に置き換えた場合の紹介でした。
まとめ
いかがでしたか。「時間がかかる」の敬語表現や注意点など分かっていただけたでしょうか。「時間がかかる」には、色々な敬語表現、丁寧語・尊敬語・謙譲語などがあり、うまく使い分ける必要があります。また、場面によっては表現の仕方により、伝わり方が違うことも分かりました。
今回紹介した記事は現代社会でも通用しやすいので、参考にしていただければ幸いです。この記事で学んだことを生かして是非役立ててください。
「時間がかかる」は敬語でなんと言う?等のよくある質問疑問
「時間がかかる」のビジネスで使える言い換えは?
「時間がかかる」のビジネスで使える言い換えは以下のようなものがあります。
- 時間を要する
- 所要時間が長い
- 処理に時間を必要とする
- 完了までに長期間を見込む
- 着手から完了までが時間を必要とする
- 長期的な取り組みが必要
- タイムインテンシブ(時間集約型)
- 期間が長引く可能性がある
- 完成までに相応の期間が必要
- 進行が緩慢である
「時間がかかる」の言い換えは?
「時間がかかる」の言い換えは以下のようなものがあります。
- 手間がかかる
- ひと苦労する
- じっくりと取り組む必要がある
- 急ぎではできない
- 長引く
- すぐには終わらない
- 時間を食う
- なかなか進まない
- 一朝一夕にはいかない
- 長いプロセスを経る必要がある
「時間がかかってしまい」の敬語は?
「時間がかかってしまい」の敬語は、「お時間を頂戴してしまい」や「お時間を取らせてしまい」です。
「お時間を要してしまう」の言い換えは?
「お時間を要してしまう」の言い換えは「お時間を多く取らせてしまう」や「お時間が長くかかってしまう」、「お時間を長らくお借りする」などです。