夏の星座を代表する一つ、さそり座のことをあなたはどれくらい知っていますか?
星座占いなどでよく耳にする有名な星座ですが、意外とどのような星座か説明するのは難しいかもしれません。
そこで今回は、さそり座についての情報をわかりやすくまとめました!
星座占いに見るさそり座の特徴や、具体的にいつ・どこで見られるの?という天体で見る時の観測の仕方、
そもそもさそり座とは?といった豆知識までまとめてあります。
これを読めば、知らなかったさそり座の一面が見えてくるかもしれませんよ。
・さそり座はいつからいつまで?
12星座占いに使われる誕生星座では、主に10月24日から11月22日生まれの人がさそり座にあたります。
この誕生星座は、生まれた時に太陽がどの星座の宮(位置)にあったかで決まります。
つまり、誕生星座とは生まれた時に、地球から見て太陽の方にある星座のことです。
誕生星座は別名「黄道十二星座」とも言われています。
黄道十二星座とは読んで字のごとく、太陽の通り道である黄道に沿って並んだ星座のことを指します。
なぜ「12」星座なのか?というと、単純に黄道に沿った星座が12個あるからです。
この誕生星座ですが、その特性上、厳密にいうとその年によってどの星座に該当するかが変わります。
これは、太陽の位置が年によって少しずつ変わるため、
星座の境界に近い時に生まれた人は誕生星座が前後するためなんです。
正確な誕生星座は簡単に調べることができるので、興味のある方は是非調べてみてくださいね。
ちなみに現在、星座は88種類がIAU(International Astronomical Union:国際天文学連合)によって認められています。
星座がどんどん増えて収集がつかなくなってしまったので、1928年に領域を決めて現在の88種類までしぼられました。
88種類もある星座の中でも、黄道上にある星座は12個しかないんですね。
さそり座生まれはどんな人?
さそり座生まれの人は真面目で忍耐強く、ミステリアスであるとよくいわれています。
さそり座の人は集中力が高い人が多く、また途中で投げ出さずひたむきに最後までやり遂げます。
探究心が強く、物事を突き詰めるため知識が豊富で職人気質な人も多いんだとか。
また、口が堅いところがあり、秘密主義で自分のことはあまり話さないという一面があります。
ポーカーフェイスで物静かな人も多いので、このあたりがミステリアスと言われる所以でしょうか。
その反面、内面は情熱的な人が多いです。
さらに一途で健気な性質もあるので、恋愛になると相手に誠実に向き合う一方、
執着心の強さから嫉妬心が強くあらわれてしまうことも。
シャイなところがあり、恋愛では自分からアプローチはできないことも多いです。
仕事の面でも目立つことが苦手なので、縁の下の力持ちに落ち着きやすいみたいですね。
真面目で実直なので、与えられた任務は必ずやり遂げます。
ただ、責任感の強さと、自分のことを話すのが苦手なことから、ストレスを溜め込みやすいところもあるようです。
あまり溜め込みすぎないように、日頃から発散を心がけてくださいね。
こちらの動画がさそり座さんについてわかりやすくまとめてあったので、もっとさそり座さんのことを知りたい人にオススメです!
さそり座の有名人は?
さそり座生まれの有名人はたくさんいます。
・宇津井健さん(10月24日生まれ/俳優)
・及川光博さん(10月24日生まれ/俳優・ミュージシャン)
・マツコ・デラックスさん(10月26日生まれ/コラムニスト・タレント)
・つんく♂さん(10月29日生まれ/音楽家・作詞作曲家・実業家)
・リリー・フランキーさん(11月4日生まれ/俳優・文筆家・画家など)
・村上佳菜子さん(11月7日生まれ/プロフィギュアスケーター・タレント)
・木村拓哉さん(11月13日生まれ/歌手・俳優)
・LiLiCoさん(11月16日生まれ/タレント・歌手・映画コメンテーター・元プロレスラー)
みなさん多彩で、何かしらのジャンルを突き詰めたプロフェッショナルな方ばかりです。
ミステリアスな雰囲気を感じる魅力的な人も多いですね。
さらに、海外まで目を向けると
アメリカの実業家で、マイクロソフト社の共同創業者のビル・ゲイツさんも10月28日生まれのさそり座です。
さそり座の興味を持ったことに打ち込む特徴がよくあらわれている人たちばかりですね。
さそり座の有名人はまだまだたくさんいます!
もっと見てみたい、興味がある方はこちらがオススメです。
「あの人も?」なんて発見があるかもしれません。
さそり座はいつ見える?
さそり座は主に7月下旬から8月に観測できる夏の星座です。
「あれ?さそり座が生まれた10月24日から11月22日には見えないの?」と思ってしまいそうですね。
誕生星座は昼の明るい時間の空にのぼっている星座なので、肉眼で見ることは難しく、
また夜には沈んでしまい観測することができないんです。
誕生日に自分の誕生星座が見えないというのも不思議に感じますよね。
それぞれの星座が見頃を迎える目安は、誕生星座の時期の3から4ヶ月前です。
さそり座さんは10月下旬から11月下旬に誕生日を迎えるので、7月から8月頃に観測がしやすくなるということですね。
さそり座とは?
さそり座とは誕生星座で知られる黄道十二星座の一つで、夏の代表的な星座です。
その歴史は古く、2世紀の天文学者クラウディオス・プトレマイオスが作成した星表「トレミーの48星座」にも見られます。
さそり座は一等星アンタレスを主星として、天の川に沿った大きなS字状の形をしています。
明るい星で構成されているため、全天でも見つけやすい星座の一つです。
さらにさそり座の特徴であるさそりのしっぽ、毒針の部分。
これが天の川にかかって見えるので、別名「天の釣り針」とも言われ、
古くは「魚釣星(うおつりぼし)」とも呼ばれていたそうですよ。
さそり座の主星 アンタレス
アンタレスは赤く光る星で、さそり座の主星である一等星です。
さそりの心臓に当たる場所にあることから、さまざまな国で「サソリの心臓」とも呼ばれています。
その赤さは肉眼で見える全天の星の中でも一番と言われるほど。
本当に赤く見えるので、古くから日本では「赤星(あかぼし)」、
酒に酔って顔が赤くなることに例えた「酒酔い星(さけよいぼし)」という別名もあります。
中国では赤く燃える火をあらわす「大火」とも呼ばれています。
赤く光っているのは表面温度が3500度ほどと低いからです。
太陽が5500度ほどなので、これと比べてもかなり低いことがわかります。
しかし、その明るさは太陽の8000〜10,000倍ともいわれており、
大きさは太陽の約700倍あるというので驚きです!
アンタレスは太陽系から約550光年の距離にあります。
1光年は光が空間を1年間に通過する距離のことで、具体的には9,460,730,472,580,800mです。
かける550ですから…気が遠くなるような距離ですね。
それだけ離れていても、広い夜空の中でひときわ目立ち大きく輝いて見えることが、
アンタレスの明るさと大きさの凄まじさを物語っています。
また、アンタレスは火星と深い関係があります。
アンタレスの名前はギリシャ語に由来していますが、その解釈は諸説あり、
「アンチ・タレス(火星)」=「火星と対抗するもの」という説や、
「火星に同等の星(火星に似た星)」とする説があります。
アンタレスは度々、火星と並んで観測できることがあります。
両者とも赤く明るい星であることから、まるで競い合っているように見えることがその由来です。
こんなに近くに並んで見えることもあるんですね。
赤く大きな星が並んで輝く姿は迫力満点です。
さそり座を見る時の注意点や見る時のコツは?
さそり座は7月下旬から8月、南の空の低いところに観測することができます。
さそり座は大きく見つけやすい星座ですので、特別な道具がなくても肉眼で見ることができます。
ただ、観測する際には高い建物など、周囲に視界をさえぎるものができるだけない場所で観測するようにしましょう。
なぜかというと、日本から見るとさそり座は南の空の低いところに位置しているから。
天の南極側にある星座を「南天の星座」といい、さそり座もその一つです。
日本は北半球にあるため、さそり座は南側の低い空に位置するというわけです。
周囲に、特に南側に高いビルやマンションなどの建物があると視界がさえぎられてしまい、さそり座が見えなくなってしまいます。
また、街の明かりが少ない場所なら、星を見るにはうってつけですね。
さそり座を見つけるには、まず主星であるアンタレスを見つけましょう。
南を向き、地平線から頭の真上をつないで3分の1ほどの場所に赤く輝く星がアンタレスです。
アンタレスから右隣に3つ縦に並んで見える星がさそりの頭の部分にあたります。
その反対側、アンタレスの左下にかけてSの形に星が並んで見えます。
釣り竿のように見えるこの部分が、さそりのしっぽである毒針の部分です。
アンタレスがとても目立つ星なので、きっとすぐに見つけられますよ!
なぜさそり座にさそりが採用された?
さそり座の由来はギリシャ神話にあります。
海神・ポセイドンの息子のオリオンは、とても体が大きく、力自慢の狩人でした。
オリオンは日に日に威張り散らすようになり、ついには「俺にかなうものなど、この世にはいない!」とまで言うようになりました。
これを聞いた最高神・ゼウスの妻・ヘラは激怒し、
オリオンを懲らしめるために、猛毒を持った大さそりをオリオンの足元に放ちます。
さそりの毒針に刺されたオリオンは、何とあっけなく死んでしまいました。
さそりはオリオンを刺し殺した功績がたたえられ、星座になります。
これがさそり座の由来となっています。
ちなみに、オリオンもまた星座になりました。
しかし、今でもオリオンはさそりを恐れていて、さそりが天に昇る夏には逃げるように地平線の下に隠れていく冬の星座となったと言われています。
さそり座も実はいて座に狙われている?
屈強なオリオンを刺し殺した功績をたたえられ、星座になった大さそりですが、
実はいて座に狙われています。
いて座は上半身が人間、下半身が馬のケンタウルスの姿をしていて、「いて(射手)」という名のとおり弓矢を引いています。
いて座はさそり座のすぐ後ろ、具体的にはさそり座の主星アンタレスから東側に位置していて、
その弓矢の先はさそりの心臓であるアンタレスに向いています。
いて座がさそり座を狙っているのは最高神・ゼウスの命令によるもので、
凶暴なさそりが天上で暴れた時にはすぐに射殺できるようにと見張っているためなのです。
オリオンを懲らしめ、神々の期待どおりに成果を上げたさそりがなぜ見張られているのかというと、
実はこのさそりが原因で大火事が起きたことがあるから。
太陽の神・アポロンの息子・ファエトンが、ある日アポロンから借りた太陽の馬車に乗って、空を駆けていた時のこと。
突然さそりがファエトンの馬車の馬たちを襲い、驚いた馬たちは暴走してしまいます。
暴走した馬車はあちこちに火をつけ、天地を焦がす大火事になってしまったのです。
事態を収集するために、最高神ゼウスはやむなくファエトンの乗った馬車を雷で撃ち落とし、
ファエトンは炎に包まれながらエリダヌス川に落ちていった…という、悲しいお話です。
このような前科があることから、さそりがイタズラをしないように、ゼウスは文武両道の賢人であるケンタウルスにさそりを見張らせているのですね。
さそり座は英語で言うとどう言う?
「さそり座」を和英辞書で引くと、「Scorpio(スコーピオ)」と「Scorpius(スコーピウス)」の二つが出てくることがあります。
一般的にさそり座について英語で言う時には、「Scorpio」を使います。
では「Scorpius」との違いは何でしょう?
「Scorpius」はラテン語で「さそり座」のことを言い、さそり座の学名でもあります。
12星座の英語表記は、基本的にラテン語に由来しているので、「Scorpius」も辞書に載っていることがあるようです。
ちなみにラテン語の発音では、「スコルピウス」となります。
まとめ
さそり座の由来から、実際にさそり座を観測するのに適した時期など、
さそり座にまつわるお話を見ていきましたがいかがでしたか?
さそり座のことを深く知ることができたと同時に、星座や天文学の奥深さを実感したのではないでしょうか。
天体を見ることへの興味や面白さも増したのではないかと思います。
さそり座は知名度も高く、とても探しやすい星座です。
普段天体観測をしない人でも簡単に見つけられます。
夏の夜には南の空に赤く輝く星・アンタレスを見つけて、さそり座を観測してみてくださいね。
【その他 参考文献】
ムック編集者・著(2017年) 「星座の基本 エイムック」 ヘリテージ
森山晋平、伊藤ハムスター、多摩六都化学館(浦智史)・著(2018年) 「せつない星座図鑑」 三才ブックス