仕事をするにあたって大切なビジネスマナー。
ルールや必要事項、さらには暗黙の了解的なものもあり新人社員さんたちはそのすべてに慣れるまでかなりの時間がかかりますよね。
業務には直接関係ないものでも、一歩間違えるとミスにつながりかねないような細かな作業やタスクなど、、、
さらに在宅ワークが増えた今のご時世、ビジネスマナーの中でもより大切になるのはやはり”メール”なのではないでしょうか。
同僚や先輩、取引先などていねいな文を書かなくてはいけない場面はたくさんあるかと思います。
そしてその一文の中にもマナーや決まり事がゴロゴロ転がっているのです。
たとえば、会社内でやり取りするメールや手紙の最後に◯◯ 拝(◯◯は名前)と書かれているのを見たことはありませんか?
この「拝」という漢字ですが、メールや手紙の結びとして差し出し人の名前のあとに付けて書きます。
相手を敬う気持ちを表すことができ、基本的にはていねいな形式となりますが場合によっては失礼になることもあります。
え?敬っているのに失礼になるの?と思うのも無理はありませんが、メールや手紙を送る相手や使い方によっては大失敗になりかねませんよ。
この「拝」というたった漢字一文字がもしかすると、あなたの運命を大きく変えてしまうかもしれません。
見たこともないし知らないなぁという方は、この先いつ出会うかわからないのでここでしっかりと覚えていってくださいね。
ビジネスの場面では絶対必要!ということはありませんが、知っていて損はありませんよ。
知らず知らずのうちにメールや手紙の送り先に失礼になってしまう場合もありますので、そうならないように覚えていきましょう。
では、さっそくですが「拝」についてテーマごとに説明していきたいと思います。
メール 拝 ビジネス
ビジネスメールの「拝」は、相手への敬意を表す方法です。
メールの「拝」は失礼?
え、メールや手紙に「拝」ってつけることは相手を尊敬する意味があるんだよね?どうして失礼になってしまうことがあるの?と思ったそこのあなた。
結論からいうと場合によっては、失礼にあたります。
きちんとルールを守って使えば送り先にもていねいなメールだと思われます。
基本的に「拝」という漢字の意味合いは「頭を垂れて敬礼すること、おがむこと。手を合わせて神仏などに祈る。合掌する。」
そして、「謹んで」といった相手に敬意を表す謙譲の意味をもっています。
謹んでお祝い申し上げます。
謹んでお詫び申し上げます。
謹んでご報告いたします。
など、かしこまったシーンで使われることが多いこの「謹んで」という意味を「拝」はもっているということになります。
とても礼儀正しく、謙虚かつていねいなことが見て取れる言葉となっていますよね。
ビジネスなどで使われるメールや手紙では、送る相手に「敬意を表している結びの言葉」として自分の名前のあとに付けて使われています。
謙譲語である「拝見」や「拝聴」などと同じように相手に対して敬う、尊敬する気持ちが「拝」という漢字にこめられています。
ですので、メールや手紙を送る相手に尊敬や謙譲といった敬いの気持ちが伝わるていねいな書き方となります。
そしてここで大事なのは、相手を敬う気持ちが込められているから使い方は自由、ということにはならず目上の方の場合は特に注意が必要になります。
相手を敬うという意味があるからといって、むやみやたらにどんな時でも「拝」をつけて書いていいわけではありません。
ビジネスルールとして、メールや手紙の中の小さな作法かもしれませんがきちんとしたマナーがあるのです。
もしあなたがこの先ビジネスシーンで「拝」という字に出会った時どのように対処するのか、またマナー違反にならないよう気をつけることが大切になります。
しかし現代では日々の業務で当たり前に使っている方は少なく、昔からある古い企業や医療業界、一部の職種の方のみ「拝」を頻繁に使用しているようです。
また年配の方や管理職の方は昔からの慣習として差し出し人の名前のあとに「拝」という字をつける方が多いようです。
というのも、この「拝」という字は元々かしこまったメールや手紙で使われる頭語と結語である「拝啓 敬具」という言葉が由来になっています。
それらが省略され「拝」という書き方をする方法になり、定着していったとされています。
いざこの「拝」が書いてあるメールや手紙に出くわした場合、どう対処するのか。
また、どういった時に自分が書いたメールにこの「拝」をどうつけるのか。
使い方もしっかりと説明していきましょう。
メールの「拝」の使用方法は?
いろいろな意味があり、先人たちの想いが込められている「拝」という漢字。
前にも述べたように、メールや手紙でも相手を敬う気持ちを表したこの「拝」という字ですが、では具体的にどうやって使うのが一番正しいのでしょうか?
ビジネスメールや大切なお手紙で送り先の相手が嫌な気持ちにならないように。またマナー違反にならないように。
正しい使い方を覚えていきましょう。
ここでしっかりと覚えることができれば、ビジネスメールで相手に失礼をしてしまい上司に怒られてしまった、なんてことも減るでしょう。
きちんとしたルールを知っていれば相手を敬う気持ちや相手への誠意をしっかりと伝えることもできるでしょう。
そうすれば社会人として、ひとりの日本人としてかなりレベルアップできるはずです。
ではまずいちばんはじめに伝えたい使用方法ですが、基本的に差し出し人である自分の名前のあとにつけて書きます。
例 「山田太郎 拝」
これがいちばんていねいな形になります。
しかし、先にも述べたように誰彼かまわずこの「拝」を使って良いとは限りません。
使用する相手にも注意したほうが身のためでしょう。
本来は、自分と同等である会社の同僚や部下宛てにメールや手紙を書く際、ちょっとていねいさが出るようにという場面でしか使わないの無難になります。
「拝」というのは、昔から正式なメールや手紙で使われている「拝啓 敬具」を省略したものとなります。
そのため「拝」を使用している時点で敬意が軽い、正しい敬意の表し方ではない、と思われる場合もあるのです。
とくにメールよりも前に、手紙を正式な形で書き慣れている年代の方たちや知識や教養がある方からすると、「拝」という形式で書くと省略していて失礼なのではと思われる可能性もあるかもしれません。
ですので、正しく相手への敬意を表すのであれば「拝」はできる限り使用しないで「拝啓 敬具」など正式な頭語と結語にしたほうが望ましいと言えるのかもしれません。
もし使う場合の方法としては、「差し出し人の名前+拝」このような形が基本になります。
メールの「拝」を使用する場合の注意点は?
相手を敬う気持ちを込めて使うことのできるこの「拝」ですが、ここまで書いてきたように使用する時に気を付けなければならない注意点がいくつかあります。
ここではその注意点について説明していきます。
前にも述べたようにこの「拝」は元々メールや手紙をかく際に正式な形で使われる頭語と結語である「拝啓 敬具」が省略されて使われるようになった形式です。
ですので、これらを同時に使うことは文章として間違いになります。
「拝」を使う場合は「拝啓 敬具」を使わないように、また逆の場合も同じになります。
ひとつのメールの中にこれらがごちゃまぜに記入されている場合、とても失礼かつマナー違反になりますので注意しながら書きましょう。
それにきちんとした形式に慣れている方などは読んでいてなんとなく読みにくかったり、文章の作り方が不自然に思うでしょう。
そして注意点がもうひとつ。
業界によっては慣習としてメールや手紙の文章がテンプレート化されていることもあります。
(病院の紹介状などでは頻繁に使われていたりします。)
しかし現代ではメールや手紙などでもこの「拝」を活用する方はあまり多くなくさらに若い世代では苦手意識がある方も増えてきているようです。
若い世代の間でよく聞く「拝」を使う人のイメージとして、なんとなくややこしそう、口うるさそうなどといった声もあります。
またそのほかに多い意見として、使ったり使わなかったりする人もいて面倒くさいしよく分からないなどの不満も珍しくないようです。
職業や会社で決められている場合にはその通りにやった方が無難かと思いますがむやみやたらに使っている場合はひとまず正しい使い方を覚え、適度に使うのが一番安心かと思います。
使い方さえ覚えて頭の隅に置いておけばいざというときに困らないでしょう。
どういう風に使うのが良いのか、具体的な事例を3パターン用意し説明していきたいと思います。
メールの「拝」の使用事例1
では「拝」を使ってもていねいさが伝わり、相手に敬意を表すことができるにはどのように使用するのか説明していきます。
まずひとつめの使用事例ですがいちばんていねいなのが、名字と名前どちらも記入することです。
メールや手紙を送る際に差し出し人である自分の名前にプラスして名前のあとに「拝」をつけます。
例「山田太郎 拝」
このようにフルネームにセットでつけることが一番ていねいで良いでしょう。
目上の方宛てのメールや手紙では特別な理由などがない限り名字と名前を両方記入したあとに「拝」をつけることが望ましいでしょう。
この書き方であれば、相手を敬う気持ちやていねいさも伝わり失礼になることはありません。
ですが先ほどもお伝えしたように社外の方や取り引き先などに正式な形でメールや手紙を出す場合はやはり「拝啓 敬具」を使い、「拝」は使用しないことが望ましいでしょう。
ビジネスシーンで使っても良いか分からない時は正直に上司に確認するのが良さそうです。
メールの「拝」の使用事例2
ふたつめの使用事例は、差し出し人の名字にプラスして「拝」を付け加えるパターンになります。
例 「山田 拝」
形はこのようになります。
この使い方だと、基本的に目上の方や正式なメールを送る際には失礼にあたりますので注意が必要となります。
目上の方や社内で正式なメールを送る場合はひとつ目の使用事例である名字と名前をセットで書くようにしてください。
名字にプラス「拝」を使う相手としては、知り合い程度の方やビジネスでもとくに頻繁にメールや手紙のやりとりをしていて、差し出し人の名前が名字だけでも構わないような間柄の方にのみ使用することができます。
しかし、この人は良いけどこの人はどうだろうというように迷ったりする場合にははじめから名字と名前を両方記入したあとに「拝」をつけて書くのが確実で安心でしょう。
失礼になってしまう前にきちんと確認しミスのないようにしましょう。
あとは、この使い方の注意点として若い世代や新入社員などが勘違いしやすい間違いが少なくないようなのでここで説明させていただきます。
ある一人の新入社員の方のお話です。
最後に「山田 拝」と書いてあるメールが届き、差し出し人の名前が「山田 拝」だと勘違いをしてしまいました。
自分がメールを送る際、宛て名に「山田 拝様」と書いてしまいそれを知った上司にひどく叱られてしまいました。
というようなことがありました。
この間違いは「拝」という字に慣れていないもしくは知らない方からすると当たり前のミスになってしまうことでしょう。
そして他にも、「拝」という漢字を「肺」「杯」「ハイ」「徘徊」など予測変換で間違えてしまったまま送ってしまったという事例もあります。
ツイッターで調べてみたところこの間違いをしている人はかなり多くいました。
これでは相手へも失礼ですし、まずは自分のしたミスですがとても恥ずかしい気持ちになりますよね。
笑い話になれば良いですが、仕事としてやっているのでやはり何かしらの影響が出ると思ってもいいでしょう。
そんな間違いをしないためにも打ち間違いやメールの確認などはその都度しっかりしてくださいね。
メールの「拝」の使用事例3
最後に紹介する使用事例は、差し出し人の名前にプラスして「拝」を付け加えるパターンになります。
例 「太郎 拝」
このようになります。
この使い方をする場合は、ビジネスメールや手紙などではなく両親やきょうだい、普段から親しく名前で呼び合っている関係性のある相手のみとなります。
この名前に「拝」をプラスする使い方は、相手を敬う気持ちを表したメールや手紙というよりは、感謝の気持ちを伝えたりするシーンで活用することが望ましいかと思います。
なかなか家族にかしこまった手紙を書くことは
ないかもしれませんが、いつもよりていねいに手紙を書きたい時やきちんと相手に気持ちを伝えたい時にこの「拝」を結びとして使うのはとても素敵なことなのではないでしょうか。
メールの「拝」に関する口コミ
わたしもそろそろメールの最後に「拝」ってつけようかな。シブいし。
藤岡拝
— 藤岡みなみ (@fujiokaminami) November 1, 2023
メールに『殿』と『拝』を毎回書いてくるおじさん100%癖強でおもろい。
— あんりちゃん (@anriiixoxo) October 29, 2023
有識者教えて〜!仕事のメール文の最後に『名前 拝』と敬意で付け足すのは今一般的じゃないんでしょうか?最近『孳々 拝 様』みたいに認識されてしまってどうお返事するか困ってしまいました… pic.twitter.com/pIxgFLk9z0
— 孳々 デザフェス58【D-8】両日 (@gg_koki69) October 31, 2023
自分も、自分の取引先(?)であるライブハウスにメールしたりする時に、『拝』をつけたりします。
『cocorocolony拝』
全くシブくないですね。
cocorocolony拝 https://t.co/btc22D3wMP
— cocorocolony(ココロコロニー) (@cocorocolony) November 1, 2023
社内メールで『殿』使ったことある人いる?たまたま私の周りだけが使っていたなんてこともないよね?
あと、小生、小職、「拝 〇〇」とか🐼— まめ🐼ただのゆるふわ (@chuzaiina) October 28, 2023
若手の頃は何も考えずに使っていましたが良く考えると違和感ありますよね。今はほぼ〇〇さんですが。あとメールの語尾に『〇〇(人の名前)拝』と書く人もいてそれも何か不自然に感じた記憶があります。
— 丸の内リーマン (@reyacbit_plas) October 29, 2023
有識者ではないですが…
私もメールやお手紙では「しいにゃん 拝」と書かせていただいています。
いま時の皆様は手紙や書面に関するマナーのようなもの、ご存知ないのかもですね💦
いまだに○○社長様とか○○先生様という宛名書きを見ることありますので…😅
— しいにゃん@色鉛筆3色画 (@sheenyan3colors) October 31, 2023
社内メールで「◯◯殿」
普通にあったので笑うに笑えない😇〇〇殿、〇〇様、〇〇+役職+様
変な風習だよね。あと、文末の「拝 〇〇」とか、小職、小生とかな🐼笑 https://t.co/uXMnXFoNAt
— まめ🐼ただのゆるふわ (@chuzaiina) October 28, 2023
まとめ
ここまで「拝」について、基本的な使い方や由来、注意点や具体的な使用事例などさまざまなことをお伝えしてきました。
相手を敬う気持ちを表すことばとして、ビジネスシーンでのていねいなメールや手紙の結びの形式として。
この「拝」だけでもさまざまな決まり事がありました。
これらのマナーは相手を敬うだけでなく相手を思いやり、相手に迷惑をかけないこと。
相手の立場になって考えること、相手を気遣うことが大切なのではないでしょうか。
そういったことに気をつけながら、「拝」を使ってみてはいかがでしょうか。
メールの「拝」は失礼?等の質問疑問
メールの最後に「拝」とつける意味は?
メールの最後に「拝」とつけるのは、「謹んで」という意味があります。「見る」「読む」「聴く」という言葉に敬意を加えています。
「拝」とは手紙の最後につける言葉ですか?
「拝」は、手紙の差出人である自分の姓の後に付け、相手へ敬意を表す言葉です。
「拝」の例文は?
「拝」の例文には以下のようなものがあります。
拝見する |
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拝聴する |
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拝読する |
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拝借する |
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拝啓 |
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「拝啓」の「拝」とはどういう意味ですか?
「拝」は、体を屈めて敬意を伝えるという意味です。