このテレビアニメの正式名称は「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」といいます。
元々は投稿サイト「小説家になろう」に投稿されたライトノベルで、作家は三嶋与夢さん、イラストは孟達さんが描いています。
ライトノベルから人気を集め、後に漫画化されました。
2022年3月にはテレビアニメ版も開始しましたが、アニメ版の評価は微妙な意見もあったようです。
今回の記事ではどうしてアニメ版の評価が微妙だったのか、どんな話だったのか、詳しくご紹介していきます。
正式名称が長いので、ここから先は「モブに厳しい世界」と略させていただきますね。
モブに厳しい世界のアニメ化の評価は？
先程も述べたように、モブに厳しい世界のアニメ化になった時には、良い評判と悪い評判で分かれました。
それではアニメ版の悪い点・良い点について詳しく解説していきます。
アニメ版の悪い点①作画デザイン
アニメ化が発表された時に公開されたキービジュアルに、ネット上では悲鳴が上がりました。キャラクターデザインが…癖が強めだったからです。
中でも
「目が気持ち悪い」
「虫の目みたい」
といったように、特に「目」についての不満が相次ぎました。
小説版もですが、潮里潤さんが描いた漫画版のイラストの評価がかなり高かったので、アニメ版は漫画版のによせてくるかといわれていたのです。
しかしフタを開けてみれば、小説版にも漫画版にも似つかないビジュアルだったのが残念なポイントとなりました。
アニメの制作会社である「ENGI」は、他の作品でも作画崩壊が指摘されることがあり、そもそも低予算なので仕方ないと思われているところもあるようです。
アニメ版の良い点①声優陣
モブに厳しい世界のアニメ化では、かなり豪華な声優陣が話題となりました。
リオン 大塚剛央
リオン(幼少期) 赤尾ひかる
オリヴィア 市ノ瀬加那
アンジェリカ ファイルーズあい
ルクシオン 石田彰
マリエ 佐倉綾音
ユリウス 鈴村健一
クリス 遊佐浩二
グレッグ 檜山修之
ブラッド 立花慎之介
ジルク 鳥海浩輔
バルカス 新垣樽助
リュース 川澄綾子
ゾラ 折笠愛
ニックス 河瀬茉希
カイル 竹内順子
ジェナ 長谷川育美
ルーカス 速水奨
ダニエル 坂泰斗
レイモンド 土田玲央
リオン役の大塚剛央さんは、ちょっと遅めのデビュー（24歳）ながらイケメンと評判の声優さんです。
2018年10月放送のテレビアニメ「風が強く吹いている」で蔵原走役としてテレビアニメの初主演を果たします。
学生時代にゲームとサッカーに夢中になった大塚さんなので、リオン役がとてもハマっていましたね。
オリヴィア役の市ノ瀬加那さんは、2021年の春アニメの「ひげを剃る。そして女子高生を拾う」の荻原沙優役が有名な声優さんです。
また「かぐや様は告らせたい」の四条眞妃役もハマり役でしたね。
2021年3月には、第15回声優アワードにて新人女優賞を受賞した実力派です。
アンジェリカ役のファイルーズあいさんは、エジプト人の父と日本人の母の間に生まれたハーフの声優さんです。
帰国子女で、学校に馴染めなかった頃に「ジョジョの奇妙な冒険」に出会い声優さんを目指すようになったそうです。
「ダンベル何キロ持てる?」の紗倉ひびき役や「推しが武道館いってくれたら死ぬ」のえりぴよ役などで、第14回（2019年度）声優アワードで新人賞を受賞されています。
AI搭載ロボットのルクシオン役は石田彰さんです。
石田さんは中性的なキャラクターの声を演じるのも得意。
「美少女戦士セーラームーンSuperS」ではフィッシュ・アイの声を演じ、このキャラは男女どっちなの？と思わせたという逸話も残っています。
そして、個人的にテンションが上がったのが、リオンのお茶の師匠であるルーカス役が、あの大御所・速水奨さんだったことです!!
「ヒプノシスマイク」の神宮寺寂雷役や「BLEACH」の藍染惣右介役など、数えきれない正統派美形の声優さんとして、長年活躍されてきた方です。
この声優陣だけでも見る価値があると思いますよ！
アニメ版の良い点②音楽
モブに厳しい世界のアニメは挿入歌も話題となりました。
オープニングソングは「サイレントマイノリティー」で、提供したのは、ネット音楽というジャンルを確立したともいえる、シンガーソングライター伊東歌詞太郎さん。
音楽活動にとどまらず、マルチな才能を開花させている新進気鋭のアーティストです。
静かなる少数派たちを鼓舞する渾身の一曲で、とてもストーリーに合っている楽曲です。
エンディングソングは「selfish」で、安月名莉子さんの歌声です。
2022年1月放送のテレビアニメ「ハコヅメ～交番女子の逆襲～」でもオープニングを担当した彼女の楽曲は定評があります。
アニメ版の良い点③ストーリー
「あくまでもモブに徹する」ストーリーは終着点が分からなくて、モブキャラなのに異世界+主人公というのは今までになかった感じですよね。
主人公のくせに「俺はゲームのモブだからゲームを壊さないために距離を置かないと…」と考えるところも、実に面白い設定です。
リオンは平凡なモブに見えて、煽りキャラでひねくれ者もあるので、そこが主人公ぽくないのも魅力なのかもしれません。
また、アニメオリジナルストーリーにせず原作に忠実になっていたのも、評価が高かったです。
モブに厳しい世界のアニメはひどい？
乙女ゲームなのにロボットは出てくるし、世界観は何でもありの混乱をきたしている展開。
しかもキャラデザは崩れているし、最初は「ひどい」と酷評されたモブに厳しい世界への評価…。
しかし独特の世界観がウケて、回を追うごとに徐々に評価が高くなっていきます。
作画の酷さもストーリーの良さでカバーされ、最後には気が付かない程になったようです。
さて、ここで詳しくストーリーを紹介していきます〜ここからはネタバレにご注意ください。
この作品は、乙女ゲームの世界が舞台という設定です。
主人公・リオンは前世で、ワガママな妹のために代わりにゲームをプレイしていたのですが、クリアした直後に体調を崩して死亡してしまいます。
女尊男卑が甚だしい乙女ゲームの世界に転生したものの、貧乏な男爵家という超モブキャラにでした。
三男坊として生まれついたリオンは、自分はモブに徹しつつも、前世で得たゲームの知識を活かして下剋上を試みます。
第1話「俺はこの世界が嫌いだ」では、モブらしくそれなりの幸せを目指そうとしていたリオンに、酷い縁談が舞い込んできます。
転生した先の男爵家は複雑な家庭環境で、結婚したゾラという奥方に、家の実権を握られていました。
縁談の相手は50歳で結婚7回、夫は全て戦死という酷い相手です。
縁談から逃れたいリオンはゲームの知識を利用し、課金で入手していたメカと財宝を持って帰ってきます。
おとめげーむのせかいはモブに厳しい世界ですの2話の感想は？
第2話はヒロインが登場し、絵柄にも慣れてきた人が多かったようです。
何とか縁談を逃げ出した後の第2話は「そこの彼女 お茶してかない？」。
せっかく酷い縁談を免れたのに、未開の島を見つけた功績で位が上がってしまったリオンは、それなりの地位の結婚相手を見つけなければならないことに。
結婚相手を見つけるために入学した学園でヒロインと出会います。
イケオジの師匠・ルーカスから感銘を受けてリオンはお茶を嗜むようになり、お茶に誘った相手がこのゲーム本来の主人公である「オリヴィア」です。
オリヴィアは平民でありながら、回復魔法が使えるので貴族の学園に特別入学が認められた少女です。
実は前世でプレイしていた時には、オリヴィアのことを「あざとい」と酷評していたリオンですが、実際に知り合うと可愛いと思ってしまいます。
リオンはゲームのキャラクターとは関わらないように、細々と結婚相手を探していたのですが、ゲームのシナリオ通りに進んでいないことに気づきます。
前世におけるゲームは、エンディングを間違えると世界の破滅に繋がっていると知っているリオン。
今世のゲームの主人公は、オリヴィアではなくマリエという少女がすり替わっていました。
マリエによって最悪の未来が起こりうる懸念を抱いたリオンは、モブキャラに徹しようと思っていたのに、ゲームのストーリーに嫌々関わっていくこととなります。
また、国を継ぐはずのユリウス王太子が学園にいて、その婚約者のアンジェリカも悪役令嬢として登場します。
女尊男卑の世界なのに、王太子を取り巻くイケメン軍団だけは例外…リオンはそんな理不尽にも耐えなければいけません。
おとめげーむのせかいはモブに厳しい世界ですの9話の感想は？
第9話は「都合のいい女子ですから」で、それまでに色々あったリオンとオリヴィアの間には、距離が生まれてしまっていました。
二人の切ない想いにドキドキしたり、じれったく思う人が多かったようです。
そんな中、襲い掛かる賊からオリヴィアを守ったブラッドを目撃したリオン。
その後、オリヴィアが回復魔法でブラッドの傷を癒す姿を見て「お似合いの二人だ」と感じたリオン。
結局「オリヴィアさん」呼びに戻ってしまい、よそよそしくなってしまいます。
「モブはヒロインに関わってはいけない」と、リオンがオリヴィアから距離をとることを決意したためです。
しかし、AI搭載のルクシオンから、オリヴィアのことを「都合のいい女子だ」と言われて、リオンはルクシオンを殴ります。
おとめげーむのせかいはモブに厳しい世界ですの10話の感想は？
第10話は「エセ貴族とは違って」で、まだオリヴィアとリオンの間はギクシャク。
リオンは空賊退治の功績などで爵位が上がり、モブともいえなくなってしまいます。
そんな中、３学年合同の修学旅行中にファンオース公国のヘルトルーデ王女が、ホルファート王国に宣戦布告!!
学園の生徒たちはファンオース公国に船ごと捕らわれてしまいます。
公国の人質になったアンジェリカへの感謝もなく、自分勝手な生徒たち。
リオンは「生徒全員で戦うこと」を条件に、ファンオース公国と戦うことにします。
オリヴィアから「アンジェを助けて」と言われたリオンは「それは俺の役目だ」と戦いにいきます。
おとめげーむのせかいはモブに厳しい世界ですの4話の感想は？
第4話の感想として「乙女ゲーアニメからロボットアニメに変更したの？？」というのが多かったです。
またスコップで戦いに勝つところもスカッとしましたね。
そんな第4話は「手加減してやってもいいかな？」でした。
リオンの鎧であるアロガンツは時代遅れの代物だと馬鹿にされ、さらにAIルクシオンが用意した武器は……なんとスコップ！
観客から嘲笑されるリオンは、貴族たちをフルボッコにします。
そして謎の少女・マリエの正体が分かる…かもしれません。
モブせかという略し方で合ってる？
「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の通称は「モブせか」です。
アニメの公式サイトでも「モブせか」で紹介されています。
モブに厳しい世界 なろうという呼び方で合ってる？
モブに厳しい世界は「なろう」系の作品だと言われています。
この「なろう」系というのは、ネット上の投稿サイト「小説家になろう」に投稿されていた小説であることから来ています。
2018年5月には、GCノベルズから書籍が刊行されて『このライトノベルがすごい！2020』のランキングで単行本部門の8位となる程、人気が出ました。
後に漫画版も刊行され、小説と漫画を合わせたシリーズ累計部数は200万部を突破しています。
まとめ
今回のは「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」のアニメ版について詳しく解説しました。
初めは微妙だったアニメ版の評価も、回を追うごとに上がっていきましたね。
モブキャラが貴族を無双するという、見てる側は気持ちのいい展開だったので、スカッとした方も多かったようです。
意外にも、人間ドラマがしっかり描かれているアニメでした。
さてこのアニメは、第12話「たとえどれだけ、この乙女ゲー世界が厳しくても」で、第1部は一応完結を見せました。
そして、2022年12月に第2期の制作が決定いたしました！
リオン役の大塚剛央さんは「祝！モブせか第2期制作決定！！またアニメでリオンたちに会えること、とてもとてもうれしいです！いつも作品を応援してくださっている皆様、本当にありがとうございます。アニメ第2期でも再び楽しんでいただけるよう、引き続き全力で演じさせていただきます。ぜひ原作やコミカライズ、第1期のブルーレイなどを見返したりしていただきながら、楽しみにお待ちください！」と話しています。
オリヴィア役の市ノ瀬加那さんは「本当におめでとうございます！！！第2期やりたいなと思ってはいたものの、こんなに早く決定の発表があってうれしさでいっぱいです！オリヴィアちゃんをまた演じられるの楽しみです～！可愛いところや芯のある格好いいところ、他にもいろいろな表情がまた見られますね！ぜひ楽しみにしていてください～！！」とコメントしています。
本当に第2期の展開も楽しみですね！春アニメの始まりが待ち遠しいです。
