家に帰っても「あの時の対応はあれで良かったのか」「あの人とはどうやったらうまくいくの?」と考え続けてしまうと、せっかくの自分の時間も楽しめず、リラックスできませんよね。
私もネガティブな思考に引っ張られる方なので、気になることがあると一晩中寝られず、ずっと考え続けてしまったことが何度もあります。
そんな私の経験則からいえる、気持ちの切り替え方をこの記事では紹介していきます。
しっかり仕事とプライベートの切り替えができないと、ストレスを解消できなかったり、眠れなかったりするので体調を崩してしまいがち。
でもこの記事を読めば、気持ちをうまく切り替えることができるようになるので、きっとプライベートの時間を充実させながら楽しめるようになることでしょう。
さらに記事後半では、気持ちを切り替える上でおさえておきたい注意点も解説しましたので、是非最後まで読んでくださいね。
多くの人が仕事とプライベートの切り替えができない理由
仕事とプライベートの切り替えができない理由は、多くの研究から以下3ついずれかの要素が心にあることだとされています。
- 過去の具体的な嫌だった場面
- 現在進行中のモヤモヤすること
- 未来に起きそうな不安なできごと
ネガティブなこの3つの要素には、断続的もしくは持続的に脳に考えさせる働きがあるためです。
3つの要素があると気持ちがどうなるのかを、例をあげて示します。
理由 | 気持ち | ||
過去の具体的な嫌だった場面 |
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現在進行中のモヤモヤすること |
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未来に起きそうな不安なできごと |
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前提として知っておいて欲しいのですが、脳は危険回避を重視するために、ネガティブなことに焦点をあてるようにできています。
ついネガティブなことを考えてしまうのはこの特性のためです。
過去を思い返してみれば、楽しかった出来事よりも辛かったり苦しかった出来事の方がよく覚えているでしょう。
切り替えのためにはこの脳の仕組みを理解して、ネガティブなことに焦点をあてない工夫が大切です。
仕事とプライベートの切り替えができない場合の対処法
仕事からプライベートに切り替えられるようになるには、次のどちらかにアプローチするのが有効です。
- 切り替えを妨げている問題自体にアプローチする
- 問題に対する自分の感情を、切り替えられるようにアプローチする
切り替えられない原因は、きっかけとなる出来事と、その出来事に対する自分の感情にあるからです。
切り替えのための具体的な方法としては、次の3パターンがあります。
- 抱えている問題を解消する
- 抱えている問題を受容する
- 抱えている感情を変化させる
具体的に解説します。
仕事とプライベートの切り替えができない場合の対処法1【抱えている問題を解消するには?】
抱えている問題を解消できれば切り替えは容易になるでしょう。
方法は、次の3ステップです。
- 問題は何かを特定する
- 問題はなぜ起きているのか、原因を特定する
- 具体的にいつ、何を、どうするのか、アクションプランを決める
下表で解説します。
方法 | 解説 | ||
問題は何かを特定する | できるだけ起きている問題の状況を詳細までわかるように情報収集します。
詳しくわかれば、解決策も具体的にできるからです。 起きている問題は自分だけに起きているのか、他人にも起きているのか、起きている傾向はどうか、できるだけ詳細がわかるように分析しましょう。 |
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問題はなぜ起きているのか、原因を特定する | 問題が特定できたら原因を追求します。
この時に、環境に原因を求めると解決策が出せなくなります。 環境は変えられないことが多いからです。 自分に原因があるとしたら、という視点で調査しましょう。 |
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具体的にいつ、何を、どうするのか、アクションプランを決める | 原因がわかれば、できるだけ具体的に解決のためのアクションプランを決めます。
曖昧なところがないアクションプランのほうが実行しやすいからです。 頭の中でイメージできるくらいまで具体的なプランをたてましょう。 |
仕事とプライベートの切り替えができない場合の対処法2【抱えている問題を受容するには?】
抱えている問題を受容できると切り替えが促されます。
方法は以下の5点です。
- ネガティブな気持ちをアウトプットする
- ネガティブな気持ちの原因を探り、次はこうすると決める
- 開き直る
- 寄り道をする
- 寝る
以下に詳しく解説します。
方法 | 解説 | ||
ネガティブな気持ちをアウトプットする | 気持ちをアウトプットするとネガティブな気持ちを解消することができます。
思考を外に出すことでスッキリするし、自分が何を考えていたのかを第三者の視点で知れるからです。 信頼できる人がいればぶちまけるといいでしょう。 1人でも、紙に書きなぐることでカタルシス効果(苦痛が緩和されて安心する効果)を得られます。 |
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ネガティブな気持ちの原因を探り、次はこうすると決める | 次に同じ場面に出くわしたときは、こうしようと決めるとスッキリします。
対策ができて安心するからです。 私が感じるのは、反省してもあまり意味がないということ。 失敗したら、次はこうしよう、とひとまず決めます。 これは少しでもマシになりそうなものでいいです。 更に、たくさん失敗した方が成功に近づくと思ってプラスにとらえるようにします。 最後に「おしまい」と口にすると切り替えられることが多いです。 |
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開き直る | 今気になっていることがあったとして、最悪どうなるのかを考えてみましょう。
きっと、命までとられることはないはずです。 多くの心配事が実際に起こる確率は13%という研究結果もあります。 私が使うのは、「ま、いいか」と口にすること。 口に出すと、なんとかなる気がして開き直れそうな心境になれます。 |
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寄り道をする | 切り替えができないことの問題は、家ではリラックスしたいのにリラックスできないことにあります。
大抵家でリラックスできれば、帰宅途中は仕事モードでもかまわないはず。 つまり家に帰る途中なら、切り替えられなくても問題ないので、家に帰ってもリラックスできないならば、寄り道してしまいましょう。 私の場合、カフェで甘いコーヒーを飲みながらとことん悩んでみたり、カラオケでストレス発散したりすることが多いです。 |
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寝る | うまく切り替えできなければ、早く寝てしまうのは有効です。
人は寝ている間に情報を再構築してくれるので、起きた時には割と考えが整理されることがあるためです。 私は大抵嫌なことがあったときはすぐに寝るようにしています。 タップリ寝られると、朝には気持ちが軽くなっていることが多いです。 |
仕事とプライベートの切り替えができない場合の対処法3【抱えている感情を変化させるには?】
抱えている感情を変化させると切り替えやすくなります。
具体的な方法は以下3つ。
- 楽しいことをする
- 仕事が完了する工夫をする
- 身体をオフにする
詳細は下表のとおりです。
方法 | 解説 | ||
楽しいことをする | 自分の好きなことや楽しいことをするのもオススメです。 仕事とプライベートの切り替えができるかどうかには、プライベートの充実度も大きく関わるからです。 すなわち、切り替えられないからプライベートが楽しめないのでなく、プライベートの時間を楽しむことで切り替えられるようになるのです。 私の場合、ゲームが好きなのでゲームをしていたのですが、悩んでいるときはゲームをしても楽しめませんでした。 個人的に効果があったのは、お風呂に浸かることと自己啓発本(『嫌われる勇気』とか)を読むことでした。 何が効果的なのかは人それぞれ違うと考えられます。 色々試してみましょう。 |
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仕事の区切りをつける | キリのいいところまで仕事を終わらせる方法です。
キリがいいと気持ちも「終わりっ!」って思えますよね。 キリのいいところまで仕事をすると、区切りがつくので気持ちも切り替えやすくなります。 私の場合は仕事が始まる前に一日のタイムスケジュールを決めると、決めた予定をこなせた瞬間に「終わった」!と思えます。 |
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身体をオフにする | 服装を変えると自然と切り替わる人は多いです。
これも、体と心がつながっているので、外見に心が影響されるからです。 普段着だと仕事に身が入らなくても、ビシッとスーツを着ると勝手に仕事モードになりますよね。 同じように、オンからオフに切り替えたければ服を変えるのが有効です。 正直な話、スーツを着たまま気持ちをオフにするなんてムリですよね。 家に帰ったら、仕事着など脱ぎ捨ててしまいましょう。 |
仕事とプライベートの切り替えができない場合の注意点
仕事とプライベートの切り替えができない場合は次のことができていない可能性があります。
- しっかりオンにする
- オフを妨げるものから離れる
- 仕事を変える
具体的に解説します。
仕事とプライベートの切り替えができない場合の注意点1【しっかりオンにするとは?】
仕事とプライベートの切り替えが出来ない人は、気持ちをオフにすることばかり考えがちです。
実は気持ちをしっかりとオフにするためには、事前にしっかりとオンにしておく必要があります。
夜にオフになるよう、朝は気持ちをしっかりオンにしましょう。
朝に気持ちをオンにするには、次のことが有効です。
- 朝日を浴びる
- 水を飲む
- 朝食を食べる
- 家事を朝に済ませる
- 小さな目標をたてる
- 一日のタイムスケジュールをたてる
- デスクの整理整頓をする
私の場合は、朝早めに起きてコーヒーを飲みながら今日最低限やることを決め、外を歩きながら目標を決めています。
やっぱり仕事ギリギリまで寝ていて慌てて支度するよりも、気持ちが前に向かう気がします。
朝気持ちがオンにならない人は、気持ちをオンにするためのゆとりがそもそも足らない可能性がありますので、朝早めにおきてゆっくりする時間をつくるのもオススメです。
また、気持ちをオンにするスイッチは人それぞれ違うので、自分なりに気持ちがオンになるものを探してみると良いでしょう。
仕事とプライベートの切り替えができない場合の注意点2【オフを妨げるものから離れるとは?】
スマホやパソコンなどがあると仕事と関わりがある情報に触れてしまいます。
例えば次のもの
- メール
- ライン
- チャット
仕事に関する情報を目にしてしまうと、仕事モードに戻ってしまいます。
せっかくリラックスしようとしても、元のもくあみですね。
またスマホやパソコンからはブルーライトが出ています。
ブルーライトには自律神経を戦闘モードにする効果があるので眠れなくなるリスクもあります。
私の場合、夜布団に入るとついスマホを触ってしまう癖がありました。
なかなか寝つけない原因にもなっていたので、スマホの代わりにキンドル端末を枕元に置くようにしたところ、スムーズに寝られるようになりました。
キンドル端末だと仕事に関する情報に触れませんし、ブルーライトの心配もありません。
仕事とプライベートの切り替えが出来ない場合の注意点3【仕事を変えるとは?】
仕事とプライベートの切り替えが出来ないことが続く場合、仕事を変えるのも選択肢です。
理由は2つあります。
- 切り替えには環境が関わること
- 切り替えできないことの悪影響が大きいこと
切り替えには環境が関わることについて、例えば切り替えできない理由は以下のような場合があるでしょう。
- 上司のパワハラ
- 同僚との望ましくない人間関係
- 過度に重い仕事の負荷
この場合、自分の力ではどうしようもない時がありますよね。
切り替えできないことの悪影響ですが、まず起こる主な身体症状が次のとおり。
- 睡眠不足
- 食欲不振
- 自己肯定感の低下
ほおっておくと、最終的に起こるのはうつ病など、心の病の発症です。
切り替えできないことが続くなら、転職も視野に入れて対応しましょう。
私も上司と合わずに転職したことがあります。
辞めた直後は、「逃げ」だったかなと自分を責めてしまいましたが、今は、辞めたから得られたものに価値を感じているので、あの時の選択は正解だったと思えています。
結局自分の選択を正解にするのも不正解にするのも、選択後の自分の行動次第だということですね。
まとめ
ここまで、仕事とプライベートの切り替えができない時の対処法について解説してきました。
以下に要点をまとめます。
仕事とプライベートの切り替えができない理由は、多くの研究から以下の3つの要素が心にあることだとされています。
- 過去の具体的な嫌だった場面
- 現在進行中のモヤモヤすること
- 未来に起きそうな不安な出来事
切り替えのための具体的な方法としては、次の3パターンがあります。
- 抱えている問題が解消する
- 抱えている問題を受容する
- 抱えている感情を変化させる
仕事とプライベートの切り替えができない場合は以下のことに注意しましょう。
- しっかりオンにする
- オフを妨げるものから離れる
- 仕事を変える
仕事とプライベートの切り替えができないのはそれだけあなたが真面目に仕事に取り組んでいる証拠です。
一生懸命に取り組めている自分をまずは認めてあげましょう。
そのうえで、ここであげた切り替え法のうち、できそうなものから試してみましょう。
何事もトライ&エラーです。
悩んでいるときは、あまり考えず、とにかく行動することがきっと突破口になりますよ。