「時間をはかるという言葉はどういう時に使用すればいいの・・・」
「「時間をはかる」に似た漢字はいくつぐらいあるの？」
「社会人として最低限の教養は身につけたい・・・」
と思っている方は多いのではないでしょうか？
また、時間をはかるには色々な使い方があるのはご存じでしょうか？
使い方によっては意味が違って正しく使用できなくなり、困ってしまうことも多々あります。漢字の使い方は意外に難しいのです。「図る」や「測る」などのような同音異義語があることからそれらの漢字を正確に読み解く必要があります。
そこで今回紹介する内容は「はかる」の使い方や意味の違いについて解説していきます。興味のある方は参考になるので是非チェックしてください。
「時間をはかる」は漢字でどう書く？
「時間をはかる」を漢字で書くと「計る」になり、はかりや定規などの計測機器などを用いてある基準で物の度合いを計測することです。推しはかって見当をつけるという意味合いも持っています。
よく算数や数学にでてくる「計算」という言葉があり、足し算や引き算で数えることを言いますが、これが転じて「計画」という言葉が生まれました。
このことから分かるように「計る」は「計算する」と「計画する」両方の意味を持ち合わせています。例えば、「数を計算する」という言葉において「今期の損益を計る」などの表現もあることから、損失と利益の合計を表しているのです。
他にも「計り知れないと」いう言葉もありますが、これは数で表すことができない大きな数字を意味しており、いわゆる「桁違い」や「桁外れ」などといった表現で使われることが多いのが特徴です。
それ以外にも「計画する」という言葉には「将来を計る」という表現方法があり、これから起こる未来に備えて準備をする時に使われます。それともう一つ「計画する」と似た言葉で「粋な計らい」という表現があり、粋な計画や準備を表すニュアンスで用いられることが多いです。
また、この漢字は「物の量を数えてはかること」の他にも「量の出入りをはかること」あるいは「物の良しあしをはかる」として使用されることが多く、元々「計」という漢字は「言」と「十」から成り立っています。
「十」は「まとまった数」という意味を持ち、そこに「言」がつくと「物をまとめてその数を言う」意味になるそうです。そして、それが転じて「見積もる」「物事をうまく処理する」といった意味も加わりました。
「数えると」と「物事をうまく処理する」は意味が違ってきますが、「粋な計らい」「予期に計らえ」などの言い回しを考慮するとそこに納得がいくのではないでしょうか。
「時間をはかる」は敬語だとどう言う？
「時間をはかる」を敬語にする場合は色々あるのですが動作が相手の場合は
・お計りになさる
・お計りになる
・計られる
になります。また、動作が自分の場合は
・お計りする
・お計りいたす
です。謙譲語の場合はお計りいただける意味は「計ってもらうことができる」になります。
因みに敬語にはそれぞれ種類があり、丁寧語・尊敬語・謙譲語などです。敬語の種類や違い、使い方もあるので解説していきます。まず、「丁寧語」です。これは相手を選ばずに、聞き手に敬意を表す時に使用されます。普通の言葉を丁寧に表現するだけなので非常に便利です。
次に「尊敬語」です。これは目上の方に対して使う敬語で、相手に対して敬意を表す時に使用されます。最後に「謙譲語」です。いずれも相手への敬意・尊敬の気持ちを込めた言葉遣いである点が共通します。
次に先程紹介した敬語の変化について解説します。敬語の中には言葉が変わったりすることがあるので少し複雑です。まず、尊敬語の「動詞」についてですが、言葉自体が変わるものや、「お(ご)〜になる」という表現や「らる」 「られる」語尾がつく場合があります。
・言葉自体が変わる例
「言う」→「おっしゃる」
「来る」→「いらっしゃる」「おいでになる」
「着る」→「お召しになる」
・「お (ご) ～ になる」の例
「読む」→「お読みになる」
「話す」→ 「お話になる」
「執筆する」→「執筆なさる」
・「れる」「られる」が語尾につく例
「話す」→「話される」
「帰る」 → 「帰られる」
などがあります。
次に、形容詞・形容動詞ですが、これらは、「お」や「ご」を付けて敬意を表します。例えば、
「元気」→「お元気」
「立派な」→「ご立派な」
「美しい」→「お美しい」
などが挙げられます。
続いて名詞についてです。相手の持ち物に敬意を込めて以下のような言葉に変わります。
「手紙」→「お手紙」
「相手の会社」→「貴社」「御社」
「相手の自宅」→ 「ご自宅」
などがあります。
次は「謙譲語」についての解説です。動詞の場合「お(ご)〜する」「お(ご)〜いただく」「お(ご)〜申し上げる」などの形に変わり、「謙譲語」は下記のように変化します。
・言葉自体が変わる例
「行く」→「伺う」
「読む」→「拝聴する」
「与える」→「差し上げる」
・「お(ご)〜する」「お(ご)〜いただく」「お(ご)〜申し上げる」の例
「送る」→ 「お送りする」
「利用する」→「ご利用いただく」
「悔やむ」 →「お悔やみいただく」
【名詞】
「自分の会社」 → 「当社」「弊社」
「自宅」→ 「拙宅」
以上が謙譲語についての解説でした。
最後に丁寧語について解説していきます。
丁寧語では語尾が「です」「ます」「ございます」に変化するだけです。
「見る」→ 「見ます」
「思う」→ 「思います」
「忙しい」→ 「忙しいです」
これらの敬語を使いこなせれば社会でも役に立つので是非マスターしておくことをお勧めします。
「時間をはかる」は英語でどう書く？
「時間をはかる」を英語で書くと 「measure the time」または、「count the time」になります。時間を計る時は英語をtime(タイム)に直すのが鉄則です。
他にもタイマーなどで時間をはかる場合「set the timer」にしたりします。また、長さ・面積・距離を測る時は「measure」、重さを量る場合は「weight」、時間を計る時は「time」と動詞を使い分けるので注意が必要です。
例えば、「i timed myself.(自分がやる時間を計った)」、「Time me(僕がやってどれくらい時間がかかるか計ってね)」などがあります。
そして、「I timed myself.」等の完結した文章に「+動詞のing」を付けて具体的な文章にしていくのです。例えば、「I timed myself giving the speech(スピーチをする時間を計った)」「Time me running 100 meters (僕が100メートル走る時間を計って)」などが挙げられます。
また、「time」に似た単語である「moment」や「timely」があるので解説します。「moment」は瞬間そのものを表す単語です。
これは、喜びや悲しみ、面白いこと、気まずいことが起こっている瞬間や何らかの出来事がクライマックスを迎える時に使われることが多いのが特徴です。
次に「timely」ですが、「物事が適切な時期に起きる状況」で使用される単語のことで、日本語でも「タイムリーな◯◯」とポジティブな意味あいとして使用されています。
このように使い方によっては単語の意味も違ってくるのでそこを理解しながら使用することが大切です。英語も日本語と同じでスペルが違うと間違った解釈をされやすいので正確に使用できれば社会でも評価されることでしょう。
また、それぞれ類似語をしっておくと使用する時に便利なので覚えていても損はありません。
日常生活での「時間をはかる」の使い方事例
次に「時間をはかる」の使用方法について解説します。「「はかる」という日本語は日常生活の中でとてもよく使われる言葉で時間を当てはめる場合は「計る」です。そして、ご存じの通り様々な漢字にあてはめられてきました。何となく雰囲気で使っている方が多いと思われます。
実際にどの漢字に当てはめるか難しいかもしれませんが、この「時間をはかる」は基本的に「計る」が用いられます。「時間や程度調べること」や「考慮したり見積ったりすること」という意味です。時代劇によく出てくる「よきにはからえ」という言葉があります。これは、「よくなるようになるように考えて行動せよ」という言葉の意味なのです。
計るの使い方の事例としては
・会議で発言するタイミングを計る。
・夏の水泳大会に向けて、コーチが僕のためにクロールのタイムを計る。
・先生は僕が無事に家に帰られるように計らってくれた。
などがあります。また、物事をうまく進めるために準備をしたりする「計画」などの意味合いもあり、使い方によって解釈は違いますが、主に時間を計ったり何かの計画をする時に用いられることがほとんどです。
繰り返しになりますが、計算で数字を足したり引いたりしながら損得の勘定をする意味から「計画」という言葉が生まれ、物事を予測する側面と時間を計る側面を持ち合わせる意味合いも生まれました。
また、物事を処理したり、物のよしあしなどに用いられることもあるので使いこなせるようになると便利です。
他にも、「計る」に似ている言葉として「測る」「量る」「図る」があります。まず一つ目の「測る」です。これは、距離や深さ、高さを表す言葉です。
「測定」や「測量」をイメージすると分かりやすいでしょう。元々の意味は水の深さを測ることで漢字の「さんずい」はそこから来ています。また、「物事の心中をめぐらす」意味合いも持っています。例文としては
・体調管理のために血圧を測る
・人の感情を測ることはできない
などです。2つ目の「量る」ですが、これは、容積や重さを表す言葉で「測る」と同様に「物事の心中をめぐらす」意味合いも持っています。例文としては、
・量り売りの店なので必要な分だけ購入する。
・相手の言葉を推し量ろうと努力する。
などがあります。
最後に「図る」です。これは、「物事をしっかり考慮すること」「企てること。仕組むこと」の意味をもち、ビジネス上でよく使用される言葉です。その使用方法としては以下のようなものがあります。
何かをしっかり考えてから行動すること、ある目的を達成するために計画することに使われる言葉です。「図」を用いた言葉には「企図」「壮図」「雄図」などが挙げられます。物事の何かを変えたい場合、目的を成し遂げようとする時には「図る」を使います。例文としては、
・社員の労働時間が過酷なため就業規則の改善を図る。
・事件の解決を図るため、事件の関係者から情報を洗い流した。
上司に便宜を図るようにお願いされたが、無視しておいた。
などです。使いこなせれば役に立つのでしっかりマスターしておくことをお勧めします。
ビジネスシーンでの「時間をはかる」の使い方事例
「時間をはかる」に関しては先ほども紹介したように意味は「数量を調べて知ること」「物事を推しはかること」「企てること」を意味しており、時間や度合いを調べたり、計画やアイデアを練ることを表します。仕事やビジネスの場でも使用できれば役に立つことでしょう。例文としては、
・今回のプロジェクト失敗の損失は計り知れないだろう。
・将来はああなっているだろうと、計ってみる。
・いつスタートすればいいか、タイミングを計る。
などがあります。他にも、類義語としては、「算出する」「導き出す」「はじき出す」など物事の推量や数字の計算に関する意味含む言葉です。
また、「計る」に近い意味として「図る」もよく使用されるので使用できると便利です。「図る」はすでに解説したと思いますが、意味は「企てること」「物事をしっかり考慮すること」であり、
「図る」はビジネス上でよく使用されていることから例文としては下記のようなものがあります。
・A社の便宜を図る見返りとして、仕入れ価格を安くすることが可能になった。
「便宜を図る」とは、「その方にとって利益になるように特別な計らいをする」という意味です。この内容の文章はA社の商品を優先的に購入することを条件に、仕入れ価格を安くすることが可能になったことが読み取れます。もう一つ例文としては、
・どんな仕事であっても、生産性の効率アップを計るのは望ましいことだ。
同じ仕事量をより少ない時間や労力で終わらせるのは生産性の効率アップや向上を図る上で大事なことであることが読み取れます。この言葉をうまく使いこなせれば社会でも役に立つことでしょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事を読んで「時間をはかる」の言葉の使用方法や意味の違いについて分かっていただけたでしょう。「はかる」には「計る」「量る」「測る」「図る」など様々な意味や表現があり、複雑に感じた方も多かったと思われます。
また、「はかる」の英語にしても使い方によっては訳し方も違うのでその場にあった表現をすることで社会でも通用しやすくなることを解説しました。
この記事を読むことで「はかる」の意味や言葉の使用方法についてより一層理解が深まったと思われるので是非この記事を参考にして役立たせてください。
